年老いた母親に関する悩み

厚生労働省が5年ごとに公表している「完全生命表」によると、2015年の日本人の平均寿命は女性が86.99歳、男性80.75歳である。

 

第22回生命表より日本人の平均寿命
厚生労働省 第22回生命表(完全生命表)の概況より抜粋

 

これからすると、女性は、男性に比べ約6年くらいは長生きをすることになる。

 

夫婦の年齢に関して言うと男性が女性よりも年上のケースが多い。そうなるとどうしても父親が先に亡くなり、母親が一人残されるという状況が生まれやすい。

 

子供が成人後も母親と同居している場合は良いが、地方で生まれ育ち、成人後、東京など都会に出て生活しており、父親が先に亡くなったため、母親は地方に一人暮らししているという人も多いだろう。

 

母親が健康かどうかは、人ぞれぞれだろうが、だんだん年老いていくのは間違いない。母親が年老いていくにつれ、子供としても色々と悩みが出てくるものだ。

 

今回は、最近耳にする年老いていく母親に関する悩みについて考えてみたい。人によって色んな状況があると思われるが、幾つか例をあげて見ていこう。

 

離れて暮らしているために発生する悩み

 

母親が、北海道の実家で一人暮らしをしていて、息子は、東京で生活をしているなど、母親と離れて暮らしている場合、色々な悩みが発生する。

 

離れて暮らしていると当たり前だが様子がわかりにくい

 

これは、当たり前でどうしようもないのだが、問題としては当たり前に大きい。

 

同居している場合は、健康なのか風邪をひいているのか?友達付き合いがあるのか引きこもり気味なのか?暑さや寒さに十分対応できているのか?元気があるのかふさぎ込みがちなのか?など、なんとなくわかることが離れて暮らしている場合は、何もしないと全く分からない。

 

全く分からないというのは問題なので、どうにか情報を取ろうと母親と連絡を取ることになる。最近は、老人もITに慣れてきている人もいるので、メールやLINEで連絡を取るケースもあるが、一般的には電話が一番様子がわかる。

 

電話では、声のハリ、話題の豊富さ、話の内容などである程度の様子がわかるが、いかんせん電話では声しか聞けないため、実は暗い表情をしていてもわからないこともある。

 

電話での話の中で、そんなにストレスを感じていないようなさらっとした愚痴が実は、母親の中で大きなストレスとなっていることもある訳だが、それをうまく感じ取れるかどうかは、息子の手腕と調査能力が問われてくる。

 

歳をとると若い人にはわからないような小さなことが、ストレスになることがある。

 

例えば

  • 物が動かせない
  • 押し入れに入れたものが取れない
  • 高いところに手が届かない
  • 重いものが持てない

などだ。

 

そういった小さなストレスは、高齢者の気持ちをどんどん内向きにさせるので慎重に対応する必要がある。

 

実家に帰った際は、そういう小さなストレスがないか、母親からよく聞いて、なるべくそのストレスを取り除いてあげたい。

 

できれば、そのストレスが再発しないようにしてあげたい。重いものや動かしにくいものは、なるべく動かしやすい場所に置く。そもそもそういった物が本当に必要かどうかから考えて、不必要なものは処分する。などだ。

 

マジックハンドのような補助具は、100均でも売っているが、ネット通販でも買える。すぐ欲しいという場合は、Amazonなどで購入して実家に送って貰うのが便利だ。

 

 

食生活の様子がわかりにくい

 

一人暮らしの高齢者が、栄養バランスのとれた一人前の料理を作るのはなかなか難しい。

 

作り置きすればいいと二人前くらいの料理を作ればいいのかもしれないが、歳をとると食が細くなる。食が細くなっているのに毎食同じものを食べるのでは、食べ飽きてますます食が細くなる。

 

夫婦でいたり、同居家族がいれば特に問題ないが、一人暮らしの場合は、なかなか大変な問題だ。

 

地方で暮らしていると、家庭菜園などをやっている隣人が一人二人いるのは珍しいことではない。魚釣りが好きなご近所さんがいる場合もあるだろう。

 

そういった方々は、好意で母親に野菜や魚を持ってきてくれたりする時があるが、貰ったほうは、もちろん感謝して全部食べようとする。例えばキャベツを丸々一つ貰ったりした場合、千切りにしてサラダとして食べたり、野菜炒めにしたりと工夫するわけだが、一人暮らしの女性が食べられる量はたかが知れている。

 

食べきれないでダメにしてしまっては、持ってきてくれた方に申し訳ないと思うために無理をしてでも食べようとするが、なにせ手伝って食べてくれる人が近くにいないため減ってくれない。食べ物は減らず、ストレスが大きくなっていく。

 

2人、3人の子供を育てた母親は、食べ盛りの旺盛な食欲相手に料理を作ってきた経験があるため、やもすると料理を作り過ぎてしまうきらいがある。

 

それを自分一人で食べるのだから、料理はなかなか減らず、ストレスになるわけだ。割り切って捨てちゃえばいいのにと思うが、そうそう気軽に食べ物を捨てられないのが年寄りというもの。

 

まるで赤の他人でもいいので、高校生や大学生など近所にいて、たまに夕食を食べにきてくれるような子がいればいいのにとうちの母親は言っていたが確かにその通りかもしれない。

 

誰か、そんなマッチングサービスを提供してくれないだろうか。

 

それはそうと、食生活の様子はとにかく把握しづらいので、これはもう頻繁に細かく聞くしかない。ある程度、ITが使える場合は、LINE等を使って食事の写真を送って貰うのもいいかもしれない。

 

後は、たまに実家に帰った際に残り物を大量に食べて処分してあげるくらいか。料理がなくなってくれたと単純に母親は喜ぶが、息子は内臓脂肪増加の懸念でちょっと気が重くなる。

 

 

金銭的な状況がわかりにくい

 

親子といえども金銭的な話題はしずらい。という人も多いのではないだろうか。親が、年金をいくら位貰えているか。計算すればある程度の額は想像できるかもしれないが、正確に分かっておくにこしたことはない。

 

食の話にも関連するが、現代では、高齢者向けの食事の配送サービス等もあるわけだし、お金を使ってストレスが軽減されるようなサービスがあれば、利用も検討したい。